日本企業は良いも悪いも社員を家族のように考えており、現場の社員は時として「親や兄弟」である上司の無理難題に付き合わされます。その一方で実際の家族同様、経営者は社員の雇用を第一に考えています。仕事上でミスやトラブルを起こしても日本企業の場合、無慈悲に若手社員を突然解雇する事はほとんどありません。翻って外資系企業ですが、日本企業特有の身内感はなく純粋にビジネスで成果を出すための組織という色合いが強いです。社員は家族や仲間という感覚ではなく、どちらかと言えばサッカーや野球のチームメイトといった感覚になっています。フランクなムードがある一方で、時として同僚が仕事上のライバルになったり、人事評価はアスリートの世界のようにシビア、これが外資系企業の特徴です。
外資系企業の人事評価は直属の上司に委ねられている事が多いです。自分としては真面目に頑張っているつもりでも、上司の目線から見て十分な成果が出ていないと評価されれば、減給や降格の恐れがあります。また外資系企業は年功序列という発想がなく、勤続年数が長いからといって、それが人事評価に繋がる事は稀です。さらに過去に大きな実績を出した有能な社員でも、近頃現場での成績が下がっていると判断されれば、昇進や昇給が見送られる事もあります。故意でなかったにせよ、組織に大きな損害を与える失敗をすれば、有能な社員でも即座に解雇される可能性が高いです。かつて得点王だった優秀な選手でも、近頃の成績が悪くチームへの貢献度が低ければ、監督の判断で実施的に解雇される、外資系企業はまさにプロアスリートの世界に身を置くような感覚です。